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恋愛に臆病な人必見!恋のメカニズムと恋人を作るために取るべき行動5選

恋愛に臆病な人必見!恋のメカニズムと恋人を作るために取るべき行動5選

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村井 真子

大人になって恋愛がうまくいかない、恋人を作りたいけれど、どうしていいか分からない――そんな悩みを抱えている人は少なくありません。「自分に問題があるのだろうか?」「もっと頑張らなきゃいけないのか?」と、自問自答しながらも解決策が見つからないことも多いはずです。この記事では、恋愛心理学に基づき恋愛の始め方を解説します。

1)恋に落ちる4つの要素

恋、つまり自分が相手に魅力を感じる理由を恋愛における対人魅力といいます。この領域は心理学の分野でも様々に研究されていますが、代表的なものとして態度の類似性、身体的魅力、他者からの評価、空間的近接という4つの要素があると言われています。

態度の類似性:似ている人を好きになる

態度の類似性とは、自分と似たような価値観や関心を持っている人に対して、自然と好意を抱きやすくなる心理現象のことを指します。例えば、同じ音楽ジャンルやアーティストが好きだったり、応援しているスポーツチームが同じだったり、社会問題や環境問題に対する考え方が似ていたりすることが挙げられます。こうした類似した態度を持つ相手とは、会話がスムーズに進み、共通の話題が豊富であるため、自然と関係が深まりやすくなります。

態度の類似性は、相互に共通点を生み、日常生活の中でお互いの理解を深める役割を果たします。特に恋人同士の場合、同じ目標や趣味、価値観を共有していると、意思決定や重要なライフイベントに関する話し合いもスムーズに行われることが多く、関係の安定化に寄与します。これは、共通点を多く持つことで安心感が生まれ、お互いが心地よく感じられるためです。このような安心感は、長期的な関係を築くための重要な基盤となります。

こうした「心地よさ」は、自分が持っている考えや信念が、他者から支持され、正しいと感じられることから生じます。つまり、相手と似たような態度や価値観を共有していると、自分の意見や信念が確認され、その正当性が強化されるため、自己肯定感が高まるのです。

共通の話題を持つ人を好きになることによって、私たちは自分の興味関心の対象やあり方を肯定することができます。そのため、私たちは自分に似ている人を好きになるのです。

身体的魅力:外見のいい人を好きになる

身体的魅力、つまり外見のよさに惹かれることは恋のきっかけとしてよくあることです。外見的な魅力は、第一印象を大きく左右し、他者から好意的に受け取られやすくなります。この現象はハロー効果と密接に関係しています。

ハロー効果(halo effect)とは、ある一つの特性が他の評価にも影響を与える心理現象のことを指します。たとえば、外見が魅力的な人は、他の能力や性格まで優れていると無意識に判断されることがよくあります。これは恋愛や仕事の場でも頻繁に起こり、身体的に魅力的な人が、信頼できる、知性的である、あるいは親しみやすいといった評価を受ける傾向があります。

そこにはアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)の一つである確証バイアスの影響もあります。確証バイアスとは、既に抱いている信念や仮説を裏付ける情報だけを集め、反対の情報を無視する心理的傾向のことです。たとえば、魅力的な外見を持つ人について、私たちはその人のポジティブな行動や発言を意識的に拾い上げ、彼らの「良さ」を確信しやすくなります。一度「この人は素晴らしい」というイメージが形成されると、そのイメージを強化する情報だけが意識的に注目されるようになります。

見た目のいい人へポジティブな評価をする傾向は幼少期から始まっています。私たちは見た目の良さに対する様々な思い込みを持っているため、外見的・身体的に魅力的な人に惹かれてしまうのです。

他者からの評価:自分を好きな人を好きになる

人は他者からよい評価をされると、その評価をしてくれた人に好意を持つという特性があります。面白いのはポジティブな評価が必ずしも好意に結びつかないことで、自分がネガティブにとらえているところは同じようにネガティブな評価をしている人を好きになる傾向があることがわかっています。また、自尊心が低い人はポジティブな評価をされると他者を無条件に受け入れてしまうリスクがあり、そこで恋に落ちる可能性が出てきます。

研究では男女ともに恋愛に消極的な人は自分に自信がないと認識している傾向があり、恋愛に消極的になっていることがわかっています。その観点からも、自分を好きになってくれる人を好きになることは破局のリスクを減らすことにつながります。

空間的隣接:近くにいる人を好きになる

人は、物理的に近くにいる人を好きになる傾向があります。相手と接する機会が増えることで、その相手に対して好意を抱きやすくなる心理現象を単純接触効果といい、何度も顔を合わせることで、自然と親近感がわき、関係が深まる可能性が高まります。

態度の類似性が近い、つまり共通の趣味や興味を持っている人とは同じイベントに出かけたり、同じコミュニティに入る可能性も高まります。そうするとさらに同じ空間で時間を過ごすことが増えるため、より相手に好意を抱きやすくなります。

2)恋人を作りたいときに取るべき行動5選

恋人を作りたい、でもどうやって始めればいいのかわからない――そんな悩みを抱えている方に向けて、具体的な行動を紹介します。前述した「恋に落ちる4つの要素」を理解した上で、恋愛を前進させるために取るべき行動を見ていきましょう。

1 自分の趣味・関心を自覚する

まず最初に重要なのは、自分がどんなことに興味を持っているかをしっかりと理解することです。前述の「態度の類似性」にあるように、恋愛において共通の興味や関心は関係を深めるための強力な要素です。音楽、映画、スポーツ、読書、旅行など、あなたが何に情熱を注いでいるかをリストアップしてみましょう。

自分の趣味や価値観を自覚することで、それを共有できる相手との出会いが格段に広がります。特に、趣味や関心が合致する相手とは、自然と共通の話題が生まれ、会話が弾むことが多くなります。これは、互いに理解し合う土壌を作り、安心感や親密さを育む鍵となります。

2 同じ趣味・関心のある人と出会えるコミュニティに入る

自分の趣味や関心がわかったら、それを共有できる人々が集まるコミュニティに参加しましょう。同じ興味を持つ人たちが集まる場所に身を置くことは、自然な出会いを生むだけでなく、単純接触効果を活用して親近感を育てることにもつながります。ライブイベントや趣味のクラブ、オンラインコミュニティなど、あなたの好きなことを通じて他の人と接する場を見つけましょう。

こうした場に定期的に参加することで、同じ趣味を共有する相手と繰り返し接することができ、徐々に相手に対する好意が深まることがあります。恋人を作る上で、焦る必要はなく、まずは友人関係からスタートすることで自然なつながりが生まれやすくなります。

3 育ってきた環境を客観視し、自分の価値観のベースを知る

恋愛をうまく進める上で、自分の育った環境を客観的に見つめ直すことも重要です。私たちは、幼少期から周囲の家族や社会に影響されながら価値観を形成してきました。たとえば、家族や地域社会で何を良いとし、何を悪いとするかといった判断基準が、無意識のうちに自分の価値観のベースとなっています。

こうした価値観が、恋愛においても重要な役割を果たします。育ってきた環境が近い相手と出会うと、無意識のうちに社会規範や判断基準が共通化されているため、お互いに理解しやすく、安心感が生まれやすいのです。自分にとって「よくない」と思う価値観を持たない相手と付き合うことで、日常の小さな出来事や意思決定においてもストレスが少なく、スムーズに進めることができます。

育ってきた環境を見つめ直すことは、相手がどのような価値観を持っているかを理解しやすくなり、恋愛関係を築く上での指針となります。

4 自分を表現し、自然な関係を築く

恋愛においては、無理に自分を良く見せようとせず、ありのままの自分を表現することが大切です。自分を偽らずに趣味や価値観を共有することで、自然な関係が築けます。外見や振る舞いを作り込む必要はありません。自分らしく楽しんでいる姿が、相手にとって最も魅力的に映るものです。

相手に好意を持ってもらいたいと焦るのではなく、まずは自分自身を楽しむことを心がけましょう。その結果、自然な形で関係が深まっていくでしょう。

5 ポジティブな出会いの機会を増やす

恋愛を進めるためには、積極的に出会いの機会を増やすことも重要です。友人の紹介、趣味のイベント、オンラインのマッチングサービスなど、様々な形で新しい人との接触機会を広げていきましょう。こうした出会いの場を利用する際に、好意の返報性を意識することも効果的です。ポジティブな感情や行動を示すことで、相手も自然と同じように応えてくれることが多く、関係が発展しやすくなります。

恋愛は一方的なものではなく、相互の関心や共感があってこそ進展します。まずは気軽な会話や関わりを楽しみながら、新たな出会いを前向きに受け入れていくことが大切です。

3)恋に臆病な人こそ自分の譲れない価値観を大切にするべき理由

恋に臆病な人が自分の譲れない価値観を知ることは非常に重要です。恋愛においては、相手との違いを受け入れ、歩み寄ることが必要ですが、その前提として自分の中で「何が大切で、何を譲れないか」を理解していないと、無意識にストレスをためたり、相手との関係が不安定になりやすくなります。自分が相手を好きになってしまった場合、譲れない価値観を犠牲にしても恋の成就のために行動してしまうことが起こりうるからです。

譲れない価値観を明確にすることで、自分に合ったパートナーを見つけやすくなります。価値観が一致しない相手と付き合った場合、関係が進むにつれてその違いが浮き彫りになり、結果として衝突や摩擦が起きる可能性が高くなります。例えば、仕事に対する考え方や将来のビジョン、家族に対する姿勢など、大きなライフスタイルの選択が絡む部分で意見が合わないと、無理に関係を続けること自体がストレスになりかねません。

恋に臆病な人は、他人からの評価や、相手に合わせすぎることが原因で、本来の自分を見失うことがよくあります。しかし、自分の譲れない価値観を知り、それを尊重することができれば、自分を大切にしながら相手と関係を築くことができるようになります。そうすることで、恋愛に対する不安や恐れが軽減され、より自信を持って恋愛に臨むことができるでしょう。

恋愛は相手を思いやる気持ちが大切ですが、同時に自分を大切にすることも重要です。譲れない価値観を知ることは、自分自身を理解し、より健全で長続きする関係を築くための第一歩です。これにより、相手と対等な立場で関わることができ、心地よい恋愛関係を実現することが可能になります。

4) 自分を大切にしながら、きちんと恋をはじめよう

恋愛は複雑で、必ずしも簡単に成功するものではありませんが、自分自身を理解し、外見や価値観にとらわれすぎないこと、そして他者とのコミュニケーションを大切にすることが、成功の鍵となります。この記事で触れた外見的魅力のステレオタイプ、態度の類似性、好意の返報性、単純接触効果、譲れない価値観の自覚といった要素を実践してみてください。

恋人を作ることに悩むのではなく、自分を大切にしながら恋愛に取り組む姿勢を持つことで、自然と恋愛のチャンスは広がります。大切なのは、焦らずに自分のペースで進むことです。いつかきっと、あなたにふさわしい恋人と出会い、健全で幸せな関係を築けるでしょう。希望を持って、前向きに恋愛に向き合ってみてください。


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村井 真子

社会保険労務士・キャリアコンサルタント・MBA家業の総合士業事務所にて実務経験を積み、2014年愛知県豊橋市にて開業。LGBTQアライ。著書に『職場問題グレーゾーンのトリセツ』等。

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