このコーナーでは読者から寄せられた質問にお見合い回数100回のアトトリ婚コーチャーの村井真子が本音で回答。婚活当事者だった経験とキャリアコンサルタントとしての知見から、恋愛・結婚・婚活にまつわるご相談に回答します。
※なお、ご相談内容はご相談の趣旨が変わらない範囲で匿名化のため抜粋・編集しております。
目次
ご相談:大事にされるとなぜか冷めてしまいます
これまで何人かの男性とお付き合いしてきましたが、恋愛が長続きせず悩んでいます。お付き合いを始めた頃は相手が大好きで、相手と一緒にいると幸せを感じるし、いないと少し不安になります。でも、しばらくすると「大事にされすぎている」と感じてしまい、なぜか相手への気持ちが冷めていくのです。相手が私を優先してくれたり、尽くしてくれたりするほど、その気持ちに応えられない自分が苦しくなり、結局お別れしてしまうことが続いています。
「愛されたい」と思っているのに、実際に大事にされると距離を置きたくなる自分がよく分からず、自己嫌悪に陥ることもあります。このままでは、恋愛がうまくいかないのではと不安です。どうすれば相手に対して冷めることなく、良い関係を築けるのでしょうか? アドバイスをいただけると嬉しいです。(20代女性・RIOさん)
専門家のアドバイス:自分への好意の受け取り方がカギ
RIOさん、こんにちは。お悩みを共有していただき、ありがとうございます。
「大事にされると冷めてしまう」という感情、これは結構難しいものだと思います。友達に話しても「なんだ惚気か」と思われて真剣に取り合ってもらえないこともあるでしょう(私はありました)。でも、それはもしかしたら、RIOさん自身が自分への好意を受け取るのが下手だからなのかもしれません。
人の好意をそのまま受け取ることは、実は難しいものです。「すごいね」「かわいいね」と言われたとき、それをその通り受容し、「ありがとう」と返せる人は自分に対する健全な自尊心を持っています。しかし、「そんなことをいうなんてお世辞に違いない」と思ったり、「そんな風に言うなんて何か後で良くないことがあるかもしれない」と身構えてしまった経験のある方は、もしかしたら自尊感情が低くなっているのかもしれません。
自尊心とは、自分のことを尊重でき、ありのまま肯定的に受け入れようとする態度のことです。ある研究では、自尊心が高い人は自分自身の在り方について他人からも同じように見られている(受け入れられている)と感じる傾向が高いことがわかっています。興味深いことに、自分が「望ましい自分のありかた」が具体的に出来ていると感じるとき、ありのままの自分が他人にも受け入れられていると感じる傾向があるのです。
RIOさんには、この「望ましい自分のありかた」と自分自身の現状が乖離しているという感覚はあるでしょうか。もしあるのであれば、これを埋めていくことによって、自分自身をきちんと大事にすることができるようになるかもしれません。
相手がRIOさんを大事にするのは、RIOさんが特別な存在だからです。ただし、その大事にされる行為自体によって、追い詰められてしまうこともあります。そのように愛情を「与えられる」ことが負荷になってしまうのは、自分が愛情を受け取る準備が整っていないということも一因になるのではないでしょうか。
好意を受け取ることが難しいのは自然なことですが、少しずつ意識を変えることで、相手との関係をよりポジティブに築くことができるようになります。自尊心を高めるためにも、まずは自分自身を愛せるようにすることが大事です。
一つでも「望ましい自分のありかた」への到達を目指すか、それとも、今の自分をとりあえずそれで良いとしておくか。難しい問題ですが、まずはそこから自分がどうするかと向き合ってみるのはいかがでしょうか。