このコーナーでは読者から寄せられた質問にお見合い回数100回のアトトリ婚コーチャーの村井真子が本音で回答。婚活当事者だった経験とキャリアコンサルタントとしての知見から、恋愛・結婚・婚活にまつわるご相談に回答します。
※なお、ご相談内容はご相談の趣旨が変わらない範囲で匿名化のため抜粋・編集しております。
目次
ご相談:婚活疲れで心が折れる
私は30代前半の会社員です。これまで仕事に一生懸命取り組んできたこともあり、気づけば婚活を始めるのが遅れてしまいました。
数年前から結婚相談所やマッチングアプリを利用して婚活をしてきましたが、なかなか良いご縁に恵まれず、正直疲れています。何人かお会いしても、会話が弾まなかったり、価値観の違いを感じたりすることが多く、理想と現実のギャップに悩んでいます。周りの友人が次々に結婚していく姿を見ると焦りも感じますし、自分だけが取り残されているような気持ちになります。
このまま一生独身かもしれない、という不安が頭をよぎることもあり、婚活を続けるべきかどうかも分からなくなっています。どうすれば気持ちを切り替えて前向きに婚活を進められるのでしょうか。(30代女性・さくらさん)
専門家のアドバイス:婚活には覚悟が必要。期間を決めて挑んで
さくらさん、ご相談ありがとうございます。婚活は疲れますよね。よくわかります。私も婚活中は本当に疲れていました。お見合いから、デートから、帰宅するたびに本当に疲れが足元に降りてくるみたいな感じがありました。
私は婚活中の時、自分が商品だと思っていました。商品としてお買い上げいただくことがお見合いのゴールのイメージでした。商品なので、まず棚に並ぶ所から勝負です。売り場の面積は決まっています。一番いい場所に売れ筋の商品が置かれる(だいたい自分ではない)。タイミングや店舗によっては売れ筋になれるときもあるが、多くの場合は横並びで同じような商品の中に置かれ、そこから選ばれなければならない。しかも、買ってほしいと思う人に。目が合って、手に取ってもらえたらマッチング・お見合い成立ですが、しばらく手に持ってみて、あれ違うかな、と言って棚に戻ったり、「ごめんなさい」といわれて戻されたりする。そしてまた、待つ。こういう状態は、受け身になるので疲弊します。
婚活は自分から仕掛ける姿勢も重要ですが、結婚は相手あってのもの。頑張ってアピールしないとだめだけれども、アピールしたからと言ってうまくいくとも限らないのがつらいところです。また、それまで見も知らなかった人と、基本は写真とプロフィールだけで会うかどうか決めて会い、双方良いとなっても、本当に結婚できるかどうかを短期間で判断しなければいけないのが婚活です。
婚活のしんどさは、自分の市場価値の現実を突き付けられること、自分ひとりの努力では結果が得られないところにあります。市場価値には外見的魅力だけではなく、経済力、社会性も含まれます。「自分には結婚相手としてふさわしい存在です」というセルフプレゼン力も必要です。こういうことをどれだけ頑張っても、自分一人で結婚はできません。それが、婚活のしんどさの正体だと思います。
結婚するには、まず、覚悟をすることが必要です。何の覚悟かというと、「結婚するのだ」という覚悟です。厳しいようですが、すてきな人がいたら結婚出来たらいいなあ、ではダメです。特に結婚相談所の場合、「結婚するのだ」という覚悟を決めた人が入る場所なので、そうではない人は確実に押しのけられていきますし、自分も相手に合わせよう、少し条件をゆるめよう、という姿勢の欠如にもつながっていきます。
また、婚活については期間を決めてする、ということも重要です。これは疲れを防ぐ意味もありますし、「もっといい人がいるのかもしれない」と自分を追い詰めていく心理を防ぐためでもあります。待っていたらいい人が来る保証はありません。結婚相談所大手の調査では、成婚退会会員の平均活動期間は女性6か月、男性9か月となっていますので、覚悟を決めてこの期間だけやりきることをお勧めします。
婚活の場合、不特定多数に求められる必要はないんです。それが恋愛と違うところです。だからこそ、本当に自分がどんな人と結婚したいのかを今一度考えていただき、覚悟を決めて期間を区切って活動する、ということが必要なんじゃないかなと思います。